iTunes の音楽を整理する

不明なアルバム…

iTunes は楽曲情報を CDDB (Compact Disc DataBase, インターネット上の音楽 CD データベース) から自動的に取得するが、データベースに登録されていない楽曲もあり、新しく音楽データを取り込むと「不明なアルバム」等となって音楽ライブラリに埋もれてしまうことがある。iTunes に取り込んだ直後に「情報を見る」から楽曲情報を編集すればよいのだが、時間がたってからライブラリにこの「不明なアルバム」があることに気づくこともある。複数のアルバムが曲名なしにごちゃ混ぜに「不明なアルバム」に保存されると悲惨である。

CDDB から情報が得られなくても、そのファイルが ID3 タグ (MP3 ファイルに記録される楽曲情報) を保有していれば、iTunes に取り込んだ時にその ID3 タグの情報が反映される。したがって、事前にこの ID3 タグを正しく編集しておけば、こうした「不明」のデータが音楽ライブラリに追加されることはない。しかし問題なのは、このように楽曲情報が不完全な音楽データを整理する機会が「稀にしかない」ということである。頻繁にあればなんとか対処法を見つけようと模索するが、稀にしかないので、その時ごとに多少面倒でも iTunes 上で訂正するなどして現状で満足してしまう。次にまた同じ状況に出会うと、同じように面倒だな、と感じる。

ID3 タグ編集

アプリケーション

今回この「稀」の頻度が上がってきたので、この様な楽曲情報を整理する Mac 上で動作するアプリケーションを調べてみた。

まだ他にも同種のものはあると思うが、どれを使用してもタグ情報を編集するという基本的な使い方に関しては十分に目的を果たしてくれるだろう。

MusicBrainz Picard はタグエディタの機能に加え、音楽ファイルの PUID という音響指紋 (acoustic fingerprints) の技術を用いて、MusicBrainz のデータベースから一致する情報を検索する機能も有している。複数の情報に一致した場合、ユーザーが適宜選択し、ドラッグ&ドロップでタグ情報として適用することができる。必ずしも正確な情報でない場合もあるが、タグ情報のないファイルを大量に扱う場合、まずはこのアプリで処理すると大幅な作業時間短縮が期待できる。ライセンスは GPL バージョン 2 かそれ以降。

TuneUp も同種の機能を提供するが、より iTunes との親和性に優れている。すなわち iTunes の音楽ライブラリから訂正・補填されるべきデータを探し出し、タグ付けやアートワークの検索、重複ファイルの抽出等を自動的に行なってくれる。音楽情報の識別は CDDB の商標を保有する Gracenote との提携により実現している。その他にも、iTunes で再生中の楽曲との関連アルバムやアーティスト情報、イベント情報や YouTube 動画なども表示される。しかし先にも書いたとおり、それほど頻繁に大量の音楽データの整理を行うことがない、ということが、このアプリの有料会員 (TuneUp Store) になることを躊躇させる。また、トライアル版も用意されているので試してみると分かるが、楽曲情報の照合にはある程度の時間を要する。さらに、一度に多くの楽曲を処理させようとすると、かなり CPU やメモリを占有するようである。広告が謳うほどスムーズな操作は望めないが、確かに他のこの種のアプリに比べて操作性は優れ、便利ではある1

ターミナルから編集

コマンドラインツール id3v2 は必要十分なタグ編集機能を提供してくれる。導入は Macports から可能である。

$ sudo port install id3v2

Emacs から編集

Emacs からタグを編集するには、mpg123.el と連携した id3.el が利用できる。mpg123-mode の中で “E” で ID3 タグを編集できる。

https://skalldan.files.wordpress.com/2011/09/wpid-jonathan_richman.png

また、先の id3v2 を dired-mode から使用するようにしてもよい。次のシェルスクリプトを /usr/local/bin/id3title で保存したとする。

#!/bin/sh
# id3title

TRACK=`basename "$1" .mp3`
[ "$TRACK" = `basename $1` ] || {
    id3v2 -t "$TRACK" "$1"
}

Emacs の設定ファイルには、

(defun dired-change-id3tags ()
  "In dired, change title of mp3 in id3 tags."
     (interactive)
     (if (yes-or-no-p "Change title of mp3 in id3 tags? ")
         (let ((files (dired-get-marked-files)))
           (dired-do-shell-command "id3title" nil files)
           (revert-buffer))
       (error "Operation cancelled")))

dired-mode で複数ファイルを選択して M-x dired-change-id3tags を実行すれば、選択したファイルのそれぞれのファイル名が ID3 タグのタイトルとして保存される。タグ情報は含まれないが、ファイル名に楽曲情報が含まれている、というような場合には有用だ。

【追記 2012/06/17】

上にあげたアプリケーション TriTag でも GUI で同様にファイル名を一括で ID3 タグのタイトルとして保存できる。「Mode」に「Filename -> ID3 Tag」を選択して「Apply」をクリックする。

https://skalldan.files.wordpress.com/2012/06/wpid-tritag_sample.png

重複した曲を削除

音楽データを移行した場合など、iTunes ライブラリ内に同一ファイルが重複されてしまうことがある。iTunes の機能で対処するには、

に従う。

DupiniDupe など専用のアプリケーションもあり、先ほどの TuneUp の機能 (DeDuper) も同種の目的で利用できる (いずれもシェアウェア)。

コマンドラインツールの fdupes を利用すれば指定ディレクトリの重複ファイルをリストアップ・削除できる。導入は Macports から。

$ sudo port install fdupes

以下のスクリプトはカレントディレクトリ以下の重複ファイルを depulicates に書き出し、重複するものをゴミ箱に移動する (元ネタ: Remove Duplicate Tracks in iTunes)。使用は自己責任で。

#!/bin/bash

fdupes -rf . | tee duplicates

IFS=$'n'
for x in `cat duplicates`; do echo $x; rmtrash $x; done

rmtrash は Mac OS X のゴミ箱へ移動するコマンドラインツールで同じく Macports から導入できる。

Footnotes:

1 ちなみに、TuneUp Media Review からは定期的にアップデートされる 10–20 % off のクーポンが得られる。いわゆるクーポン戦略だが、それにしてもいささか値段設定が高いように思う。Annual ライセンス ($39.95) は一年間 1 台のコンピューターにのみ適用される。LifeTime ($49.95) も同じく一台のみだが、一度だけ移動が認められているようだ。海外の TuneUp のレビューなどを見ていると文字通りボロクソに言われている。ヘヴィメタルの曲がカントリーソングにラベリングされた!なんていう苦情もあって、どこまで本当か分からない。

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