辞書.app を活用する

Apple の辞書.app

Mac OS X を購入して以来しばらく、その標準アプリケーションである「辞書.app」をあまり使用しなかった。辞書.app 標準搭載の辞書類は Epwing 形式で別途所有していたので、あえてそれを使用しなくても良かった、ということがあったのだが、辞書.app は Cocoa アプリケーション上で「Control + Command + D」を押すとポップアップで辞書が引け (銭谷版 Carbon Emacs でも可能)、この機能が実に便利なのである。

https://skalldan.files.wordpress.com/2011/06/wpid-dic-app1.png

実際に使い始めると当然他の辞書を追加したくなる。「日本で購入した Mac を使用しているから日本語関連の辞書がプリインストールされており、フランスで買えばフランス語の、ドイツで買えばドイツ語の辞書が付いてくるはずだから、辞書.app 形式の追加辞書がどこかで手に入るはず」と考えて調べてみたのだが、

たとえフランスで Mac を購入したとしても、英語と日本語だけが辞書.app で使用できる言語である。Mac OS X はどこで売られていようと同じで、現在のところ英語と日本語がプリインストールされて付いてくるに過ぎない。(Mac OS X Hints: Add a French Dictionary to Dictionary.app)

ということらしい。現在のところ (Mac OS X, 10.6.7) 辞書.app で使用可能な辞書は

  • 大辞泉 (国語辞書)
  • プログレッシブ英和・和英中辞典
  • 類語例解辞典
  • Apple用語辞典
  • New Oxford American Dictionary (英英辞典)
  • Oxford American Writes’s Thesaurus (英語類語辞典)
  • Wikipedia

の7つで、これらの辞書は世界中のどこのバージョンの Mac でも同じだというのである。目的のものが見つけられず一瞬残念に感じたのだが、そういうことであれば、返ってこのアプリケーションに愛着もわくのであった。すなわち、英語圏の平均的な人が大辞泉を使用することはないだろうが、日本人であっても New Oxford American Dictionary を利用する機会はあるだろう。少なくとも (標準状態の) 辞書.app に関しては、世界中でもっとも活用できるのが我々日本人である、と言えそうである (-_-;)

実際にとても便利で、Cocoa アプリケーション以外からでも、Spotlight, Dashboard Widget, URL Scheme (dict://), LauchBar などから呼び出すこともできる。次期 OS Lion ではいくつかの辞書の新規追加・更新や機能面での改変が加えられる予定で (cf. AppleInsider)、使い慣れたユーザーには楽しみのひとつでもあろう。また、Dictionary Services Programming Guide に従えば辞書の新規作成も可能であり、 mac-dictionary-kit を利用すると StarDict 用の辞書を辞書.app 用に変換することもできる。Epwing や他の辞書形式からの変換の試みもなされているようである。辞書.app の辞書追加方法の参考になるサイトをメモしておく。

辞書の追加

前述のように StarDict 用の辞書からだと辞書.app 形式に簡単に変換できる。StarDict とはマルチプラットフォームな辞書検索ソフトで、今はそのソフトそのものの使用法などには触れないが、詳細は マイコミジャーナルの記事辞書活用 Wiki が参考になる。少し前まで Stardict ホーム にある辞書ファイル格納ページ (Sourceforge.net) には大量の辞書の選択肢があったように記憶しているが、現在 (2011/06/12) はアクセスが制限されてしまっているようだ。ライセンス的にかなりきわどい辞書が多く存在したので一時的に封鎖しているのだろうか。本家以外でも このあたりこのあたり など他にもちらほら配布先が散見されるので、辞書名が特定できていれば Web 上に見つかるかも知れない。

さて、私自身は専門分野との関係上、サンスクリット語・パーリ語・チベット語の辞書の変換を試みたが、それらの辞書に関しては 配布してくださっているサイト が残っており、現在でもダウンロード可能だ。ここではサンスクリット語辞書の Monier-Williams Sanskrit-English Dictionary を例にとって見てみるが、基本的な辞書追加方法は Stardict 形式であれば変わらない。

まず、mac-dictionary-kit から DictUnifier-1.1.dmg をダウンロード後、中にある DictUnifier.app をアプリケーションフォルダにコピーする。以下から stardict-mw-Sanskrit-English-2.4.2.tar.bz2 をダウンロードし適当な作業フォルダに移動する。

なお解凍はしないままでよい。DictUnifier.app を起動し、先程の圧縮された Dictionary File (stardict-mw-Sanskrit-English-2.4.2.tar.bz2) を指定する。

https://skalldan.files.wordpress.com/2011/06/wpid-dictunifier.png

Dictionary Name, Dictionary ID は適宜変更し、Convert ボタンをクリックして変換を開始する。変換が完了すると (この辞書の場合 Intel Core 2 Duo, 2.5GHz で5分ほど、辞書の大きさとマシンの性能による)、~/Library/Dictionaries 以下に辞書が出来ている。他にも以下の2つの辞書を入れてみる。インストールは同様にして行う。

辞書.app を起動し動作を確認してみる。

https://skalldan.files.wordpress.com/2011/06/wpid-dic-app23.png https://skalldan.files.wordpress.com/2011/06/wpid-dic-app33.png https://skalldan.files.wordpress.com/2011/06/wpid-dic-app41.png

Carbon Emacs から使用すると(Control + Command + D)、カーソル付近にあるヒットする単語を判断し、結果をポップアップで表示してくれる。

https://skalldan.files.wordpress.com/2011/06/wpid-amrta2.png https://skalldan.files.wordpress.com/2011/06/wpid-amata2.png https://skalldan.files.wordpress.com/2011/06/wpid-bdud_rtsi2.png https://skalldan.files.wordpress.com/2011/06/wpid-kanro2.png

サンスクリット語やパーリ語は語尾変化が激しいので、実際のテキストを読みながらの使用はなかなか難しいが、チベット語なんかだとテキストを読みながら、

https://skalldan.files.wordpress.com/2011/06/wpid-lankavatara11.png

といった使い方ができて、少し意味が知りたい時に重宝する。ドイツ語だとそのままでは厳しい場合が多いかもしれないが、フランス語や英語なんかだと概ね同じような使い方ができるだろう。

Stardict のページの TODO list には epwing2stardict dictionary file format converter なんてものがあげてあるので、あまり期待せず待つことにする。実現すれば手持ちの Epwing 辞書が上のようにほとんど 手間をかけずに すべてが stardict からアップルの辞書へ変換できることになる。

25 thoughts on “辞書.app を活用する

  1. Pingback: jalasthāna» Blog Archive » Amṛta and the use of StarDict dictionaries in Apple’s Dictionary.app

  2. こんにちは!
    ベルギーから来たルカです!
    拙者はもっとlionの辞書.appを使いたいと思います!そして、日韓や日中辞書を入れたいです。ずっと前から探してて、やっと「.dic」という日韓辞書を見つけました!しかし「dictUnifier」を使ってみて、できませんでした。なんのプログラムを使えばいいと思いますか?
    ありがとうございます!

      • そうですね、そこでその日韓辞書を見つけましたが、使えないformatみたいですね。
        スカラダンさんは日韓や日中辞書を使ってますか?

        しかし、いいオフライン日中辞書が今iPodに入っていて、それをjailbreakして、sshでiPodの中を見て、その日中辞書をうまくパソコンにコピーできたら、MacOSの辞書アプリのフーマットに変更できるかもしれません!どう思いますか?

  3. This is perfect!! ありがとうございます!!!
    どこで見つかりました? あと日韓だけ、それもどこかで見つかれますか?

  4. It would be awesome if you could help me with it! ^^ You see, I don’t have windows. =.=

    Hey, do you think it’s possible to rip online websites, and convert them to .dictionary files? xD

    • Do it yourself first, please. And report the way here (or somewhere), that may help someone else :D

      Ripping web dic… I don’t think it’s possible, generally speaking.

      • Man, I’ve been checking this thread once in a while, I don’t know why. ^^ Was just about to seek help from someone I know that still owns a windows machine.
        Then I came here and saw your present.
        THANK YOU SO MUCH!!
        今日本語から中国語と韓国語の勉強ができて、最高です!おかげさまで、勉強と人生が簡単になりました!二度と不便なウェブ辞書使わなくていいです。本当にありがとうございました。もし良ければ、ルカもプレゼントしたいと思います。(笑)日本で住んでいるとしたら、夏休みは多分行くので、居る時に郵便になにか出したいと思います!良かったら、メールで連絡を待ってます。(⌒▽⌒)

      • うまく動いたようでよかったです。プレゼントについてはどうか気にしないでください。お気持ちだけ。

        私には日本語や中国語を学ぶ西欧の友人が何人かいますが、私の印象では、我々が西欧諸語を学ぶよりずっと、彼らがアジア諸語を学ぶ方が骨が折れるように見えます。勉強どうか頑張ってください。

  5. Would it be possible to convert the mac dictionaries to the iPhone built in iOS 5 dictionary? Then jailbreak and install it there? xD

  6. I’ve read somewhere about someone having converted a web-dictionary to an ebmac compatible epwing format…
    This maybe could be converted on it’s turn to a mac app .dictionary…

    Does this interest you? Shall I get to the bottom of this, and ask him how he did it?

  7. こんにちは。
    マウスオーバー辞書について探していたらこちらのページに偶然たどり着きました。
    サンスクリットの勉強をしているので、辞書appの活用法は大変大変役に立ちそうです。ありがとうございました。ところで、相談なのですが、mac osXで利用できる transritalation のソフトウェアを探しています。サンスクリットのデヴァなガリが読めない方のために、ローマ字表記に変換してくれるソフトです。どうぞよろしくお願いします。

  8. はじめまして。最近Macbook(OX 10.8)を買いました。仏教とかインドに興味があるのですが
    こんなブログがあって素晴らしい発見でした。
    さっそくモニエルの辞書を入れてみたんですけど、このブログみたいに
    unicode表示になってくれません。たとえばamṛtaはamRtaみたいに
    なってしまっています。何か改善策があればぜひ教えてください。

    • おそらくこの記事の中で張っているリンク先のデータがそうなっていた (amRta) のだと思います。私自身がそれに少し手を加えて Unicode 表示 (amṛta) に変換したような記憶があります。

      私自身は Unicode 表示の方が都合が良いのですが、検索時には “amRta” のような ASCII 翻字の方がよい方も多いと感じてそのままにしたのかもしれません。いずれにせよ、記事の内容が不親切で申し訳ありません。

      StarDict のフォーマットは自由に手が加えられるので、

      http://jalasthana.de/files/stardict-mw-Sanskrit-English-2.4.2.tar.bz2

      を解凍して機械的に一括変換することで可能だと思います。面倒なら、私が変換したものが、

      https://www.box.com/s/htzmoemz63oaq5htdd33

      に置いてありますので、よければ使用してみて下さい。

      • 変換済みのデータ、さっそく使わせていただきました。
        おかげで上手く行きました。有り難うございました。

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